#7 廣氏良致さん


夢は但馬で つくったものが全国へと羽ばたいていくこと。


2012年に代表取締役社長に就任した廣氏さん。「自分たちが一生懸命にすることで、自然といい結果に結びついた。今後もそれぞれのスペシャリストと組んで、コラボレーションしていきたい。それが地元への貢献にも繋がると考えています。

 

養父スイーツ=カタシマ、その地位を築くまで。

今や養父のスイーツの代名詞となったカタシマ。

前身の「片島成好堂」を経て、初代の社長が「洋菓子・喫茶カタシマ」を開いたのは70年のこと。外食産業元年といわれた当時はドライブイン的需要が多く、食事にウエイトが置かれていた。

転機となったのはカタシマ本店を全面リニューアルし、「PATISSERIE   CAFEKATASHIMA本店」となった時。「お菓子屋なのにカフェも充実した店」へと進化を遂げる。

「これからは〝カタシマにしかないものを求められる〟店にしないと生き残れない。そう考えての決断でした」と振り返るのは代表取締役社長 廣氏良致さん。

すでにメニュー面においてはオリジナリティを確立しており、それにふさわしい器=店を用意することで、次のステップへと進んだ。

 

豊潤な地域資源を 絶妙なセンスで表現する。 

氷ノ山の麓で育った米と天然水から生まれたどぶろく「鉢伏の泉」を使って、和と洋の食文化を融合させた、新たな味わいのジェラート。アルコール分はフランス料理の技法で飛ばし、風味とうまみはそのまま残して仕上げられている。

氷ノ山の麓で育った米と天然水から生まれたどぶろく「鉢伏の泉」を使って、和と洋の食文化を融合させた、新たな味わいのジェラート。アルコール分はフランス料理の技法で飛ばし、風味とうまみはそのまま残して仕上げられている。

カタシマを語る上で、地元素材を使ったスイーツは欠かせないが、ここに至るまでの道は簡単ではなかった。

「創業のコンセプトが〝田舎に都会的なものをもたらす〟というもの。そこに栗や芋は地元のお客様にとって、あまりに身近すぎてマッチしなかった」。

突破口となったのは、5年前に発売された「生野銀山蔵出しシュトーレン」だ。銀山の坑道内にシュトーレンを蔵入れし、3ヶ月間かけて熟成してみた。これが非常に美味しく、予約完売する大ヒット商品となった。生野銀山という文化遺産も地域資源と捉える発想や、坑道内熟成というストーリー、地域資源という和と洋の融合は、パッケージにいたるまで絶妙である。

この成功によって、地元素材とのコラボが加速的に進みはじめたという。

選び抜かれた果汁と、ミネラルを豊富に含んだ地元の名水「但馬天然水」でつくり上げたゼリー。従来のゼリーでは出せなかった後味のスッキリ感と、柔らかくなめらかな口溶けを実現。完熟果汁の持つ本来の美味しさがストレートに伝わる。

選び抜かれた果汁と、ミネラルを豊富に含んだ地元の名水「但馬天然水」でつくり上げたゼリー。従来のゼリーでは出せなかった後味のスッキリ感と、柔らかくなめらかな口溶けを実現。完熟果汁の持つ本来の美味しさがストレートに伝わる。

養父にフォーカスしたものだけでも「どぶロック」「果実のしずくジュレ」「かき氷」があり、冬限定のチョコレートには「朝倉さんしょ」「氷ノ山 どぶろく」を使用したものも。こういった数々の取り組みが評価され、今年「但馬産業大賞」の「新分野へ挑戦する経営革新部門」も受賞した。

 

但馬地方の素晴らしい食材を 外に向かって発信していく。

商品開発において重要なのが、カタシマがプロデュースするフランス料理レストラン「ラ・リビエール」の存在。コースのデザートとして新商品を提供し、顧客の感想を聞いたり、シェフが商品企画にも参加している。

株式会社サン・ウォーターのまろやかな口当たりの『但馬天然水』を使ったかき氷。一般的なかき氷のイメージを変える新感覚が楽しめる。9月末まで販売。

株式会社サン・ウォーターのまろやかな口当たりの『但馬天然水』を使ったかき氷。一般的なかき氷のイメージを変える新感覚が楽しめる。9月末まで販売。

こちらの店は92年に廣氏さんが中心となって立ち上げた。廣氏さんは大阪で生まれ、小学5年から養父へ、調理専門学校に進学、卒業後も、神戸や大阪のレストランで働き、87年に入社。創業者も現在の経営陣も、廣氏さんの言葉を借りるなら「職人あがり」。だからものづくりは、絶対妥協しない、そんなプロ集団としての自負がある。

今後の展開としては「地域資源を活かしたお菓子づくりをさらに広げたい。それも地産地消ではなく、地産都消へ。地方から外へと発信するものにしたい」と語る。地域資源とのコラボは相手あっての話だが、生産者も非常に協力的だという。「業種は違えど、地域を盛り上げたい志は同じですから。養父はカタシマにとって発祥の地。創業から半世紀、養父の地で築いてきた歴史も、認めていただけたのかなと感じています」。(2014年8月発行 YABUiRO Vol.4掲載)

 


 カタシマ株式会社
 70年に1号店となる養父本店をオープン。
 本店ほか福知山・豊岡・丹波に店舗を構え、フランス料理レストラン「ラ・リビエール」も展開。
 但馬、丹波産をはじめ厳選した素材を活かしたデザートでファンを魅了し続けている。


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 兵庫県養父市上野1156-1

 TEL 079-664-0351
 http://www.katashima.co.jp/

 

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