#3 これからの大屋町のことを語ろう。

 

養父市大屋町は、
氷ノ山系の静かな山々に抱かれた美しの郷。

千年の歴史を誇った「明延鉱山」を基幹産業とした企業城下町から、
鉱山閉山により豊かな自然を活かした観光立町へと変貌しつつあります。

大屋町を愛する人たちに
事業者、観光協会、養父市、それぞれの目線から、
この町の魅力、
そしてこれからの大屋町について
語り合ってもらいました。

 


 

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中尾 廣幸 / nakao hiroyuki
有限会社オートセンター中尾 代表取締役。学生時代をのぞく60年間をこの町で過ごし、現在は自動車販売店を経営するかたわら、観光協会大屋支部長を務め、鮎ブランドを復活させる「大屋次郎の会」発起人となる。

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寺尾 和敏 / terao kazutoshi
株式会社おおや振興公社(あゆ公園)代表取締役。大屋町役場時代から、この町の観光推進に深く関わる。最近では、若杉高原おおやスキー場と連携し、スキー客への宿泊施設の提供やインターネットによる情報発信も始めた。

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樋口 正輝 / higuchi masaki
若杉高原開発企業組合 支配人。愛知県出身で大学は北海道、スキーが大好きで、それに関わる仕事がしたいと全国を転々とし、ここに来る前は群馬県のスキー場にいたという。大屋町に来て2年目を迎える。

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杉本 彰洋 / sugimoto akihiro
養父市 市民生活部 大屋地域局長。大屋町出身で大学卒業後は当時の大屋町役場に採用され、1989年から観光係、養父市合併後は7年間、商工観光課の観光係を務めた。養父市のキャラクター「やっぷー」誕生にも関わっているとか。


 

大屋町の魅力は豊かな自然に尽きる。

 

—— まずは、みなさんと大屋町との関わりについて 教えてください。

 

中尾 ぼくらの世代は夏になると毎日、川遊びをしたり自然の中で育った。しかし孫たちは遊ばないので気になって調べていくうちに、魚が棲めない状態になっていることを知りました。そこで観光協会の大屋支部に入り、川を良くする活動をしています。
寺尾 おおや振興公社で「あゆ公園」の運営をしております。大屋町の基幹産業であった明延鉱山の閉山後、この地の素晴らしい自然に着目して、観光振興をすることになりました。そこで建設したのが「あゆ公園」です。多くの観光客を大屋町に呼び込むために必要な宿泊所、レストラン、駐車場などを整備しました。また、大屋特産の鮎をテーマにして、氷ノ山から流れる清流大屋川の水を活用し「アユのつかみ取り」とバーベキュー施設「川の家」、「マス釣り」等の営業も行っています。親水公園としての魅力づくりに努力しております。
樋口 私はIターン組で、大屋全域についてはまだよく分かっていないところもあるのですが、うちのスキー場に関していうと、ファミリーのお客さまがほとんどなので、冬に大屋町の良さを知っていただいたお客さまに夏も来てもらえるよう、子どもも楽しめる夏のアクティビティをつくったり、ピザつくりの体験教室を開催したり、スキー場とキャンプ場の両面からサービスを提案しています。
杉本 私は大屋町の生まれで大学卒業後は当時の大屋町、合併後の養父市で観光係としてこの町の観光振興に携わってきました。大屋町当時は、天滝の登山道やトイレの整備、ミズバショウ自生地の公園化といった観光施設の整備や観光案内所の開設などに関わりました。

 

—— みなさんが思う大屋町の魅力はどんなところだと思われますか。
  また現状抱える問題はどんなものだと思いますか?

 

杉本 合併前、大屋町時代のキャッチフレーズ「星と語る森と清流のまち」が、まさにこの町の魅力を表現していると思うんですが、合併後もそれは変わらない。
中尾 そう、やはり自然ですね。しかし田舎だと自然が身近すぎて、ありがたみが分からない。地元の子どもが川や山を知らないまま成長し、都会に出て帰ってこない。そして過疎になる。若い人たちを帰らそうと思ったら、子どもの頃から、この町の自然を堪能させることだと思います。
寺尾 おっしゃる通り、自然のなかで遊べることが、一番の魅力ではないでしょうか。大屋町には、自然の遊び場が沢山あるのに、里山や川で遊んでいる子供たちが少なくなっています。今後とも子供たちが安心、安全で、楽しく遊べる環境づくり、公園づくりに努めたいです。
樋口 私は自然もそうですが〝人〟も魅力だと思っています。若杉高原おおやスキー場が30周年を迎えたんですが、地元の方々が手づくりでつくったような温かみのある施設なんですよ。今もその方々の支えがあって、とても助かってます。建物ひとつにもドラマがあって、自分たちからすると〝知恵の塊〟に見えるぐらい、ほんとによく考えられていて。
杉本 地元の人たちにとっても、あのスキー場は大切な存在。奥まった場所なので、若い人はどんどん出て行く。そんな中で、地元の方だけで持ち山を出しあって、開発を進めたと聞いています。町も投資はしましたが、自分たちの手で改善を重ねてこられた。
中尾 協力してスキー場をつくり、後継者を残すことを最大の目的としてやってきたから、樋口さんのようにスキー場を守ってくれる人を大事にしているんですよ。大屋町の人は基本親切で温かいんです。でも観光名所も多くあるのにPRが下手なんですよね。

 

若者がUターンできる 雇用と環境づくりを。

 

—— では、大屋町が今後どうなっていけばいいと思いますか?
  それぞれの想う理想の未来像をお聞かせください。

 

寺尾 これまでは、地域の集落の皆さんが観光資源を守ってきました。しかしながら高齢化が進み、それも厳しくなっています。やはり後世に素晴らしい観光資源、観光施設を残していくには、収益を上げ、人材を確保することが重要であると思っています。雇用を生み出すために大屋町内の各施設が魅力づくりをし、連携して運営して行くのが理想であり、課題であると思います。
中尾 観光施設はいっぱいあるんだから、若い人を取り込んで、年配の人と一緒になって盛り上げていきたい。ただ若い人が定住し生活していくための住宅や子育て支援など、住みやすい環境づくりを行政に頑張ってもらわないと。観光事業も若い人に夢を持たせることでUターンに繋げられる。
樋口 夢というなら、スキーをやりながら食べていきたいって思う人は多いと思います。大屋ならそれが叶う。もちろん、スキー場としては夏の事業をつくるという課題はありますが、そういった人が食べていけるぐらいの環境をつくっていきたいと思っています。
杉本 以前、何かの雑誌で観光地としての日本の魅力は「幕の内弁当」だという表現を見かけました。メインとなるおかずは見えないけれど、いろんなおかずが詰まって、お得感のある弁当だと。ここ大屋町もいろんな魅力がぎっしり詰まったお得感のある町だと思います。市としては、大屋町に住む人が元気でにぎわいのある町にしたいと頑張っておられるので、一緒になって盛り上げていけるように取り組んでいきたいですね。

 


toku3_sub5 今回の座談会の会場となったのは、
築150年以上の古い養蚕農家を改装利用して誕生した
「分散ギャラリー養蚕農家」
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兵庫県養父市大屋町大杉1074
TEL:079-669-0026
営業時間:9:00~17:00

 

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