#16 沖田 好弘さん


美味しい朝食を。一日のスタートは ミルク便から。


 

一日の始まりを素敵にする 最高の朝食をお届け。

現在は養父と朝来を合わせて約700軒もの家へ配達。5、6年前から美幸さん制作のチラシを毎月入れて、情報発信とともにコミュニケーションを図っている。

その昔、家々の玄関先にあった木製の牛乳箱。毎朝、必ず牛乳箱には新しい牛乳が届けられる。それがあたり前だったのに、今では遠い過去のような気がする。しかし牛乳屋は健在だ。懐かしい風景は失われたが、進化した形で今も私たちに元気を届けてくれていた。

今も昔も牛乳屋さんの朝は早い。八鹿鉱泉の沖田さんの一日が始まるのは、朝というよりまだ夜中の2時半。夜も明けぬうちにパートさんと手分けして700軒もの配達先を巡る。それはすべて「7時までに届ける」ため。

配達するのは牛乳だけではない。数年前から、宅配のお客さまに満足いくものを提供したいとの思いから、「モーニングデリバリーミルク便」というサービスを始めた。今はネットショップだけでなく、スーパーやコンビニでも宅配サービスが充実してきている。こういう流れのなかで自社らしさを出すにあたって、「牛乳から朝食の提案をしよう」というものに変わった。「宅配のお客さまは食にこだわりを持っている方が多いので、そういうニーズに応えようと」。ミルク便のメニューは懐かしい瓶に入った牛乳や乳製品、産み立て3日以内にお届けする「早起きタマゴRUN卵」、朝来市のパン屋で特注した耳が柔らかい「贅沢食パン」。そして最近、仲間入りしたのが「赤米グラノーラ」だ 。

 

商品開発への挑戦は、原点を見つめ直すきっかけに。

専用の工房も設置。試作時は家庭用オーブンで、何度も何度も失敗を重ねて、現在の味に近づけていった。

これは、妻の美幸さんの「グラノーラをつくってみたら」 とのひとことがきっかけ。 ご飯、パンに続く、第三の朝食としてブームになりつつあるグラノーラ。これに地元の食材を詰め込んだら、新しい朝食の提案ができる。そこで地元の雑穀米を探していた時に、八鹿町小佐地区の赤米が平城京に上納された歴史ある食材であることを知る。ここから初となる商品開発への挑戦が始まる。

実はグラノーラという食べ物を知らなかったという沖田さん、配達を終えると家でレシピを考え、試作を続けた。配合、焼き加減、温度、どれも苦労した。「素人がそう簡単につくれるもんじゃないですよね(笑)」 。途中からは美幸さんも参加して一緒に仕上げた。最初からノンオイルにすると決めていた。さらにビフィズス菌のエサになるオリゴ糖が入っている甜菜糖(てんさいとう)を使うことでヘルシーさもアップする。ビフィズス菌の入った牛乳やヨーグルトと合わせて食べれば、効果も倍増。かくして「乳製品に合うグラノーラ」が完成した。赤米、甜菜糖、腸にいいものだけを集めた、パーフェクトブレックファースト。

朝食の大切さが叫ばれている今の時代、ミルク便は贅沢な存在だ。実は沖田さん、若い頃は牛乳屋が嫌で、京都で造園業に就いていたとか。社長に就任した頃から意識が変わったという。待ってくれるお客さんの存在が、やる気に火をつけた。「商品開発はとても刺激になりました。だからこそ牛乳屋はやめられないと確信もしました」。牛乳屋だから朝食を提案できる、その原点がブレることはない。


 

八鹿鉱泉株式会社

創業1946年。1950年代よりラムネ・サイダーや瓶詰めジュースの製造販売をスタート。
1962年、当時材料取引のあった関係で、
森永牛乳の家庭宅配サービス、スーパーなどへの卸小売業へと発展。

現在、ケーキ屋さんへの生クリームの販売も主力の一つである。
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兵庫県養父市八鹿町八鹿1591-3
TEL 079-662-2003
http://www.y-kosen.com/

 

 

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