学生のセンスとアイデアで 養父の魅力を再発見!〈前編〉

近頃、日本各地で“まちづくり”が盛んだ。これは「自分たちの暮らす土地をみんなで楽しく盛り上げたい」という思いを 持つ人々が増えてきた証拠。ただ具体的な手段はまだ模索中というところも多い。

そんななかで「養父市×阪南大学」による「観光まちづくり」が始まった。

 

研究活動はゼミの2回生17名を3グループに分けて展開。 昨年7月22日には養父市の観光協会、市役所商工観光課、商工会の人たちが、阪南大学を訪れてキックオフ会議を開催。

客観的な目線で地域の魅力を
再発見してもらいたい

「地域と観光の創造」をテーマに研究活動している阪南大学 和泉大樹准教授のゼミでは、新しい戦略やデザインを提案し、地域の人たちと一緒にまちづくりを実践してきた。そのテーマが商工会が考えるニーズと一致したことから、この取り組みは始まった。養父市の中でも、地域資源が多く集まる大屋地域で展開することになった。

阪南大学国際観光学部 国際観光学科 和泉大樹 准教授

学生の多くが「養父市の場所も知らない、名前も読めない」ところからスタート。養父市は兵庫県最高峰の氷ノ山、明延鉱山、養蚕農家、天滝、但馬牛など観光資源が豊富で、2014年に国家戦略特別区域農業特区の指定を受け、農業と観光を軸とする六次産業化による地域の活性化が期待される地域。そういった知識を得て、昨年9月と10月にフィールドワークで養父を訪れた。

阪南大学国際観光学部 国際観光学科 宮田保乃香さん

ゼミ生の中野莉菜さんは福井出身。「地元にいた頃は田舎=何もない場所。大阪に住んでから養父を訪れてみると、自然って良いものだなと実感しました」。同じくゼミ生の宮田保乃香さんは、「人」に魅力を感じたという。「印象に残ったのはかいこの里で、畑にいたおじいさんやおばあさんから、〝ようきんさったな〟と声をかけてもらったこと。ほっこりしました」。そのように自分の足で歩いて感じたことをまとめた結果、「地域資源のつながり」「ありのままの風景」「人の魅力」という3つのキーワードが抽出された。

 

秋には「ノースツアー」「おおやアート村BIGLABO」「若杉高原おおやスキー場」「木彫展示館」「明延鉱山」「大杉地区」「あゆ公園」「かいこの里」などをフィールドワーク。大屋の豊かな地域資源を自分の足で歩き、地域の方々の話に耳を傾けた。

観光資源をどうつなげれば
魅力的な町として発信できるか

「一つひとつの場所は魅力的だけど、つながりがなく、大屋という空間として発信できていない。個々の点であり魅力的な場所を、大屋地域という面でどうとらえていくかが課題だと感じました」(和泉さん)。このキーワードをもとにストーリーを考えた、観光地域づくりデザインのプレゼンテーションでは、学生が第三者的な観点、かつ若者目線で感じたことを素直に伝えた。

養父市商工会 副会長
松原浩二さん

これらの提案を受けての感想を、商工会副会長の松原浩二さんは、「つながりがないことは地元民も感じていた」と語る。個々には頑張っているけれど、それが上手くつながっていないのが現状。大屋は養父市全体で見ると観光資源が多いが、もともとは明延鉱山によって収益を上げていた地域。そのせいもあり長らく観光に目が向かなかった。「資源がありながらノウハウがなかった。今回の提案で、観光資源がつながるヒントをもらえました」。

株式会社おおや振興公社 支配人 池田俊介さん

発表後には地域の人も参加したやりとりが行われ、「素の話」も多く出た。「ここからようやく、観光まちづくりが始まった感じです」(和泉さん)。すでに大屋の観光資源をつなげることに着手している人もいる。「あゆ公園」支配人の池田俊介さんだ。若杉高原おおやスキー場の支配人を経て、現在は大屋地区観光協会の会長でもある。アクセス数が多いスキー場のウェブサイトにあゆ公園やノースツアーのイベントを掲載して集客を増やすなど、それぞれの施設が受け入れ体制を整え、集客は自分たちが担うという仕組みを築きつつある。「学生から多くのアイデアや情報をもらうことはありがたい。ただそれによって収益が上がるか、ニーズがあるかという目線も大切。ニーズを明確にすることで、必要なものも見えてくると思います」。

 


 

阪南大学国際観光学部 国際観光学科

1997年に西日本初の国際観光学科として設立、2010年に学部へと昇格し、観光立国・日本の将来を担う人材を数多く輩出。産官民と連携した実践型カリキュラムが特色で、現地に出向き、観光の最前線で作業をおこなうことで「生きた国際観光学」を学ぶ。

 

前編はここまでです。いかがでしたでしょうか?
後編では、提案をベースにアイデアを実行していく段階をご紹介します!お楽しみに!

 

 

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