歴史的背景を活かした地域ブランドに。
「山椒の木は本格的な収穫ができるようになるまで3〜4年かかります。2010年から育成をはじめ、去年も若干収穫はしましたが、果房が少なかった。今年は立派な実をつけて、ようやく「朝倉さんしょ」ブランドの名にふさわしいものができました」。そう嬉しそうに語るのはJAたじま朝倉さんしょ部会 部会長の福井悦雄さん。

JAたじま朝倉さんしょ部会 部会長の福井悦雄さん。「150本からスタートして、今や但馬全域で7000本ほど。部会員も200人から倍の400人になりました」
全国的に有名な朝倉山椒の発祥地という歴史的背景を活かしながら、「朝倉さんしょ」としてのブランド化を進めている。そのために枯れにくく、果食部の芳香・大きさに優れた苗をJAたじまが、この地域での栽培を条件に生産者へ販売。養父市は朝倉山椒苗木購入費の補助金制度を設けたり、栽培の講習会を開き、育て方から剪定の仕方まで指導している。

ブランド化のPRとして、料理コンテストも開催。「消費の拡大がなければ、生産量を増やすこともできない。「朝倉さんしょ」の料理が広まることは、生産者のやる気にもつながる」
生産に関しては優良系統苗のタグ管理による品質の均一化と収穫しやすいように山椒の樹高を低く抑え、重なる枝の間引きや剪定など栽培管理を徹底することで、良質な果実の安定生産を目指すなど、地域一丸となって推進している。
また、ブランド化へ向けてのPR活動も盛んだ。市やJAが開催する「朝倉さんしょ」を使った料理コンテスト、部会ではレシピの講習会、さらに会員がグルーブを組んで生産〜加工販売まで手がける、6次化への働きかけもおこなっている。 「生産基盤は整ったので、次は安定供給できる体制づくり。将来的には、生産者のモチベーションを上げるために、品評会をやりたいです」。
「朝倉さんしょ」のあんな食べ方、こんな食べ方。
「朝倉さんしょ料理コンテスト」で披露されたレシピを一部ご紹介!
朝倉さんしょとシーフードのパスタ
にんにくの代わりに山椒で風味付けしたパスタは、シーフードの味を活かしながら豊かな芳香と後に引かない辛味が抜群。
材料(4人分)
朝倉さんしょ20g / パスタ400g / シーフードミックス300g
出汁醤油・塩・コショウ・オリーブオイル適量
1 .パスタを茹でる。
2. 熱したフライパンにオリーブオイルを入れ 、朝倉さんしょを炒める。
3. シーフードミックスを入れて火を通す。
4. 茹で上がったパスタを加え、よくかき混ぜ合わせる。
5. 出汁醤油、塩、コショウで味を整える。
◎スパゲティが茹で上がるタイミングに合わせて、具を炒めるのがポイントです。

朝倉さんしょピザ
タマネギやベーコンとともに、スパイスとして「朝倉さんしょ」をトッピング。チーズと山椒の相性の良さにびっくり。
材料(4人分)
A (強力粉100g / 薄力粉25g / 砂糖10g / 塩2g / ドライイースト3g / 水70~75g / オリーブオイル10g)
B (朝倉さんしょ大さじ1/2 / 玉ねぎ60g / ベーコン / コーン30g / ピザ用チーズ50g / ピザソース100g)
1 . ボウルにAを全て入れ、粉っぽさが 無くなるまで混ぜたら、台の上で なめらかになるまでこねる。
2. 丸めてラップをかけて温かい場所 で10~15分寝かせる。
3. 玉ねぎ、ベーコンをスライスする。
4. オーブンに天板を入れ、220度に予熱する。
5. オーブンシートの上で生地を丸くのばし、オリーブオイル、ピザソースを塗り、Bをトッピングする。
6. 予熱した天板にピザをのせ、15分程度焼いてできあがり。
◎ 生地はくっつきやすいのでクッキングシートの上でのばすのがオススメです。
他にも、佃煮、味噌カツ丼、ぎょうざ、ナンなど、朝倉さんしょを使ったレシピが兵庫県公式ホームページ ( https://web.pref.hyogo.lg.jp/tjk15/sansho/sanshorecipe.html ) にて公開されています。
朝倉さんしょはネットでも販売されているので、ぜひご家庭でもお試しください。